業界・企業に特化し、誰よりもリアルで最新の情報を持つトップエージェント。エージェントファインダーで紹介する各転職エージェントは、採用決定率を高めるためにどのような工夫を凝らしているのか。エージェントファインダー代表取締役・粕谷暢司が、特定の業界や企業への高い内定率、リピート率を誇る転職エージェントにその秘訣を伺いました。
小田 守
株式会社アイスブルー・アンド・カンパニー 取締役
大学卒業後、インテリアメーカーの営業職を経て大手人事派遣会社に転職。よりコアな人材採用に携わりたいと大手人材紹介会社に転職し、10年に渡りメディカル領域へのキャリア支援を行う。 この経験を活かし医療業界特化型の転職エージェント株式会社Iを創業。現在は大手外資系医療メーカーを中心に転職支援を行っている。医療業界におけるヘッドハンター歴は20年にのぼり、圧倒的な実績を誇る。 2020年6月、ビズリーチにて、医療業界におけるヘッドハンターのMVPに選出された。
医療業界におけるヘッドハンター歴20年。だから、誰よりも転職者の力になれる
粕谷:
小田さんは医療業界特化のヘッドハンターとして、20年にのぼるキャリアをお持ちですね。 圧倒的な実績で今年度はビズリーチのMVPにも選出されています。 医療業界特化のヘッドハンター、初めて会いました。珍しいのでは?
小田さん:
はい、20年に渡りこの業界に特化した転職支援を行っているヘッドハンターは、日本全国にそんなに多くいないと思います。 医療業界はとても専門的な世界です。 この世界で転職者が持っておられる「スキルの価値」を正当に評価できるヘッドハンターは数えるほどしかいないかもしれません。 ですから出来る限り転職者の方に「スキルの価値」を理解できるエージェントだと言って頂けるよう、研鑽を積んで参りました。 地に足をつけ、業界の変遷と共に20年やってきたからこそできる価値を提供したい。そう思っています。
深い技術理解で外資系の製薬・医療機器メーカーに多数の実績
粕谷:
エージェントファインダーに参画いただいている転職エージェント・ヘッドハンターは業界や企業に特化することで、圧倒的な実績を出し価値を発揮されています。 Oさんが医療業界の中でも特に強みとされているのはどういった企業群でしょうか。
小田さん:
外資系製薬メーカーや医療機器メーカーが多いです。職種は臨床開発職・薬事・メディカルといった専門職を得意としています。年収帯が800~1500万、厳選採用されるポジションです。
小田さんだからこその介在価値は、どういったところにあるとお考えですか?
転職エージェント・ヘッドハンターの仕事は、法人ニーズの本質を把握し、転職者の希望の本質を把握し、両者を丁寧にマッチングしていくことにあると考えています。 求人企業の人事も把握できていない、現場が本当に必要としている人材像を理解するには、技術的な理解が必要不可欠です。 1を言われても、技術的背景から9を想像できる。専門知識があり、それが日々アップデートされ、どのような転職者が今動いているのか。 これらをしっかりと抑えているからこそ、求人企業からの信頼が得られます。 一方、転職者は漠然とした将来への不安を抱えていることが多い。本当に望む未来を言語化できている方は少ないです。 ここをしっかりとお手伝いできることが、私の介在価値だと考えています。
モットーは転職者の希望を絶対に否定しないこと。そして初回面談で、1回は笑わせること!
粕谷:
転職者と対峙する上で大切にされていることはありますか。
小田さん:
初回の面談で、最低1回は笑わせることを目指しています。 特に冒頭の5分でどれだけ笑っていただけるかを大切にしています。また、お話を聞くスタンスとして、絶対に発言を否定しないことをモットーにしています。
笑いと肯定!珍しいですね(笑)。それはなぜでしょうか?
この仕事は転職者にどれだけ心を開いてもらえるか、が大切です。 その方が本当に大切にしているもの、望んでいるものは何か。本質に辿りつくには心を開いていただく必要があるため、笑いと肯定をモットーにしています。 そもそもキャリアにおける「正しい」「間違い」は他人が決めるものではありません。ご本人が決めるもの。どんな希望をお話されても否定はしません。
中には高望みをされている転職者もいると思います。そういった方にも否定しないのですか?
はい、しません。まずはしっかりお話を伺います。 転職者は悪気があって言っているのではなく、自分の可能性を信じて言っているのですから、すべて受け止めます。 仮に今すぐは実現が難しくても5年後、10年後にはこんな未来が描ける。そのために今こういうステップを踏みましょう、と求める未来を一緒に言語化しながら、ステップを描きます。 そもそも医療業界は5年に一度は転職を考える業界です。一見さんの転職者に対応している感覚は私にはありません。5年後も10年後もサポートできる存在でありたい。たった1回の人生の岐路に立ちあうより、2回、3回と立ち会いたい。それでこそ私の介在価値が発揮できます。 となると、大切なのはいかに心を開いてもらえるか。本音で向き合わないと、その方の本質を捉えることはできません。 本音を話してもらうためには聞く側のスタンスが大切なのです。
かなりの長期スパンで転職者との関係性を考えていらっしゃるのですね。
精緻なスキルマッチングが高い内定率の鍵
粕谷:
内定の確度を上げるためには、どのようなサポートを行っていますか。
小田さん:
医療業界における転職はスキルマッチングが肝です。 現在の採用状況ではポテンシャル採用は基本的には多くありません。何ができるのか。どのような技術を持っているのか、が重要です。 一方、転職者の方は日々そのようなことを考えて仕事をしているわけではありません。自分のスキルがきちんと棚卸、言語化できていない方が大半です。 だからこそ面接前の棚卸が内定率を上げる鍵になります。 これまでのスキル・キャリアをきちんと棚卸し、言語化し、なおかつそれを面接で的確に伝えられるよう徹底的にサポートします。
スキルマッチだけではなく、企業カルチャーが転職者のキャラクターに合うか、も意識されていますか?
もちろん見ています。企業風土や評価制度が転職者のキャラクターにマッチするかは大切です。 例えばある企業では、どれだけ自分をアピールできるかで評価が変わります。自分から手を上げることが苦手な方だと入社後に居心地が悪くなってしまいます。 スキルと人間性・キャラクターの掛け合わせでマッチするかを見ています。
不採用通知からの逆転採用…!年収400万UP…!小田さんだから実現した転職
粕谷:
小田さんだからこそ実現できた転職、思い出深い転職サポートのエピソードを聞かせてください。
小田さん:
長くこの仕事をしているのでたくさんありますが…。日系メーカーで年収800万程の方がいらっしゃいました。 お話を聞くと、すばらしいスキルをお持ちなのではないかと思い、ある外資系メーカーに売り込みました。 結果、企業側が大変評価され、年収1200万でオファーを出されました。
年収400万UP…!
あとは、ある企業で採用が見送りとなってしまった転職者がいました。 見送りになってしまったものの、やはりこの方はこの企業に必要なのではないか、と私自身もあきらめがつかず。採用担当者ではなく、人事部長に直接、履歴書を持っていきました。 結果オファーが出たことがありました。
不採用通知からの逆転採用ですね。
私たちヘッドハンターは、法人(求人企業)のために働いている側面と、個人(転職者)のために働いている側面、両面あると思うのです。 両者にとっていい未来が描けるよう、介在することに価値があると思ってやっています。 そのためには時には踏み込み過ぎることもあります(笑)。
(笑)とても大切なことだと思います。転職者の方とは入社後もお付き合いは続いていますか?
そうですね、SNSやLINEで繋がっている方が多いです。定期的に連絡をとりますし、ご負担にならないようランチに行くことが多いです。コロナ前の話ですが。 一見さんの転職サポートと捉えていない、というお話をしましたが、できることなら2回目・3回目の転職サポートもさせていただきたい。 今、私は51歳ですが少なくてもこの先15年はこの仕事をするつもりです。 医療業界は現在岐路にあり、新卒で入社した会社で定年まで安泰ということはまずありません。 どんな職種でも5年に1回はキャリアの棚卸をする必要があります。5年に1度相談いただければ少なくてもあと3回、その方の岐路に立ちあうことができます。 医療業界に特化し、あと3回はあなたの人生の岐路に立ち会う覚悟を持っている、レアなヘッドハンターだと自負しています。これからも医療・メディカルという専門領域で、転職者の長期的なキャリアのパートナーとしてお付き合いしていきたいです。