業界・企業に特化し、誰よりもリアルで最新の情報を持つトップヘッドハンター。エージェントファインダーで紹介する各ヘッドハンターは、採用決定率を高めるためにどのような工夫を凝らしているのか。エージェントファインダー代表取締役・粕谷暢司が、特定の業界や企業への高い内定率、リピート率を誇るヘッドハンターにその秘訣を伺いました。
吉田 純平さん
sincereed株式会社
エージェント
甲南大学を卒業後、トヨタ系自動車ディーラーにて5年間営業として従事。2019年に株式会社マイナビに転職し、機電系エンジニア領域のキャリアアドバイザーとして3年間勤務。2022年に製造業領域に特化した株式会社タイズに参画し、ミドル層ハイクラスの領域拡大に従事。大手空調メーカーを担当し、全エージェントで1位の採用実績を残す。新規エージェントの立ち上げフェーズを経験後、2025年にsincereed株式会社に参画。
粕谷:
吉田さん:
甲南大学を卒業後、トヨタ系自動車ディーラーで5年間営業として従事しました。その後、より自身の介在価値を提供したいと考え株式会社マイナビに転職し、機電系エンジニア領域のキャリアアドバイザーとして3年間勤務しました。それから、より製造業領域に特化した株式会社タイズに参画。ミドル層ハイクラスの領域拡大に注力し、2年間リクルーティングアドバイザーとキャリアドバイザーをしておりました。その後新規エージェントの立ち上げフェーズを経て、2025年にsincereed株式会社に入社。引き続き製造業分野の領域拡大に取り組んでおります。
マイナビ時代ですが、エンジニア領域のキャリアアドバイザーとして初の社内表彰で金賞を獲得しました。年間で77名のご支援をし、ご支援人数1位を獲得したときですね。
また、ビズリーチでの活動が認められ、ヘッドハンタースコア4.72で約5000名のヘッドハンターの中で1位の成績を残すことができました。タイズ時代には、大手空調メーカーのご支援実績が全エージェントの中で1位になったこともありました。
機電系領域でのR&D部門から生産技術の領域のご支援を得意としております。
マイナビ時代、大手難関企業のご支援をさせていただいた際に技術理解が無いと始まらないと考え、論文や特許を毎日読む生活をしておりました。その結果、技術難度が高いものほど解像度高くサポートができるようになりました。
20代後半から40代中盤くらいのエンジニアの方をご支援させていただいております。業界としては製造業メーカーにいらっしゃる方からアカデミアの方と幅広いですね。年収帯としては、600万円~1500万円くらいの方々が多いと思います。
スカウト等でお声がけする際に、必ずなぜお声がけしたのか記載するようにしています。大切な人生の選択肢をご提供する立場として納得感があるかどうかは非常に重要だと考えているからです。
また、求職者の方がお持ちのスキルをしっかりと把握するために、その方の論文や関わられている製品については必ず調べるようにしています。今まで培われてきたスキルを正しく理解しないことには適切なサポートは提供できないと考え、面談の準備をしています。
求職者の方によって変わりますが、企業が何を期待しているのか、どういった質問で確認をされるのかをお伝えしています。エンジニアの方は暗黙知で回答をされるのが日常になっていることも多いので、思考プロセスを言語化できるように対策を行うことも多いですね。
例えば、なぜその問題に着目したのか、どういうプロセスを組み、周りをどう仕立てたのか、結果はどうなったのかといった各フェーズに分けて、思考プロセスと行動を正しく伝えられるようにしています。
また面接官のお人柄や部署の特徴も事前にお伝えし、できる限り緊張せずに臨めるように情報提供をすることを心がけています。
できるだけ早く面接の感想をお伺いし、企業側にフィードバックすることを大切にしています。ここは最もスピードを意識している点です。求職者の方が面接で上手く伝えられなかったことを私から企業にお伝えすることもありますので、面接後すぐに求職者の方へ連絡し、企業へ共有するようにしております。
また限られた時間の中では、双方ニュアンスの受け取り方が異なることも多くあります。ミスコミュニケーションにならないように、企業がどう捉えるかも考えたうえで伝え方には細心の注意を払っています。
ニュアンスではなく共通言語にまで落とし込むことを大切にしております。求職者の考えを正しく理解したうえでプロとしての選択肢をご提供していく、または壁打ち相手になる必要があると考えています。求職者の方によっては、何度も質問を繰り返し、深掘りをさせていただくこともありますね。
そして目先の売り上げではなく、その方にとってのベストの選択肢は何かを常に考えています。案件のご紹介とその先の転職先でのご活躍が人材紹介会社の役割のひとつですが、中長期的な観点でキャリアの棚卸しがしたい、というようなご要望もお受けしますし、時には、「転職をなさらない方がいい」と進言させていただくこともあります。
過去に内定辞退した企業からの特例での内定事例になります。
とあるメーカーなのですが、過去内定を辞退された方は原則選考不可と定められておりました。求職者の方はご家庭の事情でやむを得ず、1年前にご辞退されていました。その方から、現職の経営不振が続いており再度チャレンジしたいとの連絡をいただいたんです。私が担当している企業でしたので、社内規定上、再選考不可であることが頭によぎりました。ただ求職者の方の面接評価が高かったこと、貴重性が高いスキルをお持ちで、かつ中期経営計画の中でも重点強化に指定されていた分野だったこともあり、再度チャレンジをしてみようと考えました。通常のフローでいくとシステマティックな対応になることが予想されたので、先に部門の方に打診をし、部門長の方から人事部門に依頼をしていただくようにしました。その結果、特例で再選考が可能になり、晴れて内定及びご入社につながりました。
入社後もご連絡を取らせていただく方も多いです。私が関西に住んでいることもあり、関西圏の方は今でも定期的にお会いしている方も多いですね。珍しいとは思いますが、今では飲み仲間になっている方もいらっしゃいます。ご支援後もつながっていることもあり、他の方が知らない「生の現場の声」をお伝えできることは、私のサポートの強みになっています。
エンジニアの方の転職は技術の因数分解が最重要かと思います。お持ちの技術がご自身の想像を超える選択肢につながっていることも実は多くあります。私はそういった選択肢をご提供していきたいと考えております。また大手企業でも開発環境や評価方針が違うこともあるので、社風のマッチングも非常に重要です。そういった求人票には表れない細部までお伝えしていきます。
5年後、10年後に転職して良かったと思っていただけるサポートをさせていただければと思います。