転職活動において、面接や転職エージェントとの面談で必ず聞かれる質問のひとつに「転職理由」があります。今回は「転職理由」を聞かれる意図や、転職理由の良い答え方、悪い答え方など答え方のポイントを解説します。
新卒でリクルートに入社し、HR業界を16年経験。その中で転職には「最適な相談者」と「ノウハウ」が必須と痛感し、外資IT、コンサル、SaaS、大手事業会社など各業界への転職実績TOPクラスのヘッドハンター、及びコンサルタントを無料でご紹介しています。PRTIMES STORY に掲載されました。
目次
企業と転職エージェントはなぜ「転職理由」を聞くのでしょうか。その目的は、転職者の過去から現在までのことをよく知り、現在の状況のままいるという選択肢がある中で、なぜ現状を変える必要があるのかを聞くためです。
転職者の中に「転職理由=志望理由」と捉えてしまっている人がいますが、それは間違いです。一般的に転職理由は「他の企業で働きたいと思った動機」のこと、志望理由は「ひとつの企業に行きたい明確な動機」のことを指しています。そのため「転職理由≒志望理由」です。転職理由と志望理由はそれぞれ分けて考えるようにしましょう。
転職理由をしっかり語れることは内定を獲得するための一つの要素ですが、転職理由が明確だからと言って必ずしも受かるわけではありません。内定を獲得するために必要な要素は他に2つあります。1つがこれまでに培ってきた経験やスキル、もう1つが企業の求める人材像にマッチするかです。
この2つの要素を満たしている前提で、企業はその人が入社した際に活躍できるか、実現したいことができるか転職理由をもとに判断します。
転職理由を語る上で大切なことは聞き手が納得できる理由かどうかです。ここで、具体例を交えて納得できる転職理由=OK事例と、納得できない転職理由=NG事例を説明します。
例えば、ある営業職の場合・・・営業力を身につけて営業のプロフェッショナルになりたいと入社した企業で、配属が経理になってしまった。営業職に異動させてもらえるように試行錯誤してみたものの、それが叶わないため転職します、というケースがあったとします。
この方の場合、未来を考えての転職理由のため聞き手に納得感があります。対して、上司が嫌だから・労働環境が悪いからなど、ただ現在の状況から逃げたい、環境を変えたいといったネガティブな気持ちによる転職理由は聞き手に違和感を与えるためNGとなるケースが多いです
ただ、現状の不満などネガティブな転職理由で転職活動をしている人も、なぜそこが嫌なのかを言語化したうえで未来に繋がる理由を語ることができれば聞き手も納得ができます。そのため、転職して何をしたいのか、何を学びたいのかなど「自分の未来」について考え、それと紐付けて転職理由を語ることが大切です。
弊社エージェントファインダーを通じて大手コンサルティングファーム、EYストラテジー・アンド・コンサルティングに転職された方の事例をお伝えします。
この方はもともと新卒でコンサルティングファームに入社し、外資系メーカーに転職した経歴があります。事業会社も経験しておきたいという好奇心から転職を決めたものの、常に新しい事を学べ、アウトプットを求められるコンサルティングファームでの仕事の方が自分には合っているから戻りたいというのが、今回の転職理由でした。
この転職理由に対して、弊社に参画しているヘッドハンターは高く評価していました。転職理由が明確で納得感があり、この方なら大手コンサルファームに内定の可能性が高いと面談をする前から可能性を感じていた、ということです。
このように経歴と転職理由の掛け合わせで優良エージェントは内定可能性を判断しているのです。
若手の転職者が転職理由を考える際にやってしまいがちなのが、人の転職理由をそっくりそのまま真似してしまうことです。当然ながら自分が実際に経験したことではないので、面接で深堀された場合に答えに詰まってすぐに転職理由が嘘であることが見抜かれてしまいます。そのため、転職理由は自分がこれまでに経験したことを自分の言葉でしっかりと説明するようにしましょう。