業界・企業に特化し、誰よりもリアルで最新の情報を持つトップヘッドハンター。エージェントファインダーで紹介する各ヘッドハンターは、採用決定率を高めるためにどのような工夫を凝らしているのか。エージェントファインダー代表取締役・粕谷暢司が、特定の業界や企業への高い内定率、リピート率を誇るヘッドハンターにその秘訣を伺いました。
梶岡 健治さん
sincereed株式会社
エージェント
慶應義塾大学を卒業後、株式会社みずほ銀行に入行し、ファイナンシャルプランナーとして従事。その後、2018年に株式会社リクルートキャリアへ転職し、キャリアを通して全職種の転職支援をはじめ、新人育成専任部隊やチームリーダーとしてマネジメントにも尽力。2025年にsincereed株式会社に参画。
粕谷:
梶岡さん:
「個人の人生に深く入り込むような仕事がしたい!」という思いを持ち、新卒でみずほ銀行に入行。ファイナンシャルプランナーとして個人営業を行うコースに進みましたが、将来の資産形成のお手伝いをしたいという思いとは裏腹に、「いかに大口顧客をつくるか」を重視しなければならないことにモヤモヤを感じました。次第に「転職」という人生の大きな転機に価値を発揮したいと考えるようになり、人材紹介業に挑戦することを決めました。
その後、2018年に株式会社リクルートキャリアに転職し、キャリアを通して全職種の転職支援をはじめ、新人育成専任部隊やチームリーダーとしてマネジメントにも注力しました。2025年にsincereedに参画し、現在は両面エージェントとして従事しています。
大変僭越ではあるのですが、リクルート時代に所属部内では多くの表彰をいただきました。大きなものですと、首都圏統括部という関東全域内での表彰で、準MVPや特別賞などを受賞しています。事業部ALLでのMVP候補としてノミネートいただいたこともあります。
全職種のご支援をした経験がありますので幅広くご支援可能ですが、現在は特にIT/DXに関わるエンジニアや企画職の方々に注力しております。
背景としましては、現在、大手企業のIT/DX人材のニーズがますます高まっている状況の中、業界にとらわれないキャリア選択の余地が広くなっており、転職支援に非常にやりがいを感じるからです。
いわゆる若手層からマネジメント/スペシャリストまで、幅広い層のご支援が可能です。
スカウトでの初期接点が基本になっていますが、その際には、求職者様の可能性を決めつけないよう配慮したお声がけを意識しております。ありがたいことに、sincereedには幅広い求人のお預かりがありますので、面談を通して志向性を把握した上で、具体的な求人紹介をさせていただきたいということをお伝えしています。
面談では質の高い提案のために、転職理由や目的の表面的な理解にとどまるのではなく、その背景となる事象や深い価値観の部分を把握し、共感することを意識していますね。
また、書類作成についてもファーストコンタクトから極力介在しています。経験の棚卸のご支援をするだけでなく、「その書類で選考を受けることに納得感はあるか」という問いのもと、応募という行動に踏み出す準備が整っているかを一緒に確かめ合いながら、一歩ずつ活動を前進させています。
面接対策はご希望をいただく限り必ず実施します。事前の情報提供だけでなく、模擬面接という形式での対策、もしくはご相談形式での対策を求職者様に選択いただいています。合格を目指して受け答えをシャープにしていくことだけでなく、面接対策を通して自己分析も深めていけるような問いを意識して取り組んでおります。
企業側との交渉では、何よりも「スピード」と「本音」を重視しています。求職者様、企業様双方が正しく情報を得ることで、誤解から発生する機会損失を防げますし、ある意味ではミスマッチの発生を防ぐことにもつながると考えています。
誠実さとスピード感をもっていつでも相談できる関係性を維持することはもちろん、選考の過程で生じるあらゆる気持ちの変化に「なぜ」を投げかけることを意識していますね。仮に選考後に企業様への志望度が高まっていたとしても、鵜呑みにせず「なぜそう感じたか」を言語化していただくことで、元々の転職の軸に変化がないかを把握するようにしています。
何よりも大切にしていることは、転職活動を進める上で、大小関わらず求職者様の行動に深い「納得感」が伴っているかを確かめることです。転職活動は大げさでもなんでもなく、人生がかかっている大切な活動であることを常に意識しながら対話しています。
最近の思い入れ深い案件は、大手完成車メーカーでデータ利活用を推進された方を、金融機関のデータマネジメントポジションへご支援させていただいた事例です。当初、求職者様は金融機関は「お堅い」という先入観をお持ちでしたが、初回面談でキャッチしたご本人の転職軸とポジションのマッチを感じ、当該案件をご提案しました。
選考の過程で、ご志向性や本音をスピーディに連携したことにより、企業様もご本人の不安払しょくに先手を打つことができました。その結果、当初の先入観も払拭されていきましたね。また、選考を通してご本人の技術への理解や影響範囲の大きい業務のご経験が評価され、無事ご入行に至りました。
「転職」とひとことで言っても、細かな目的や目指すものは千差万別であり、決まりきった共通の正解はありません。皆様が転職活動を通して、どのような本音に出会い、どのような選択をするのかをぜひ一緒に探求できればと思います。