エージェントファインダーを通じて大手シンクタンク、三菱総研のコンサルタント職に転職されたTさん。前職はメーカーの研究開発職でコンサル未経験のTさんが見事内定に至った背景には、コンサルティング業界で圧倒的な実績を誇る転職エージェント中野さんのサポートがありました。
ヘッドハンターである中野さんは、Tさんのキャリアをどのように考えていたのでしょうか。また未経験からコンサルへの転職を希望されていたTさんをどのようにサポートしたのでしょうか。中野さんにお話を伺いました。転職者Tさんのインタビューもあわせてお読みください。
大学卒業後、東証1部上場企業に入社し、営業部門に勤務。営業活動を通じて4大経営資源である「人」、「物」、「金」、「情報」の中でもとくに「人」に関心を持ち、人材業界に転職。アスパイア株式会社にて、約15年にわたりコンサルファーム業界を主に担当している。世界を代表する外資系コンサルファームから日系の一流コンサルファームまで、パートナーや人事担当者と築いた信頼関係が最大の強み。
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中野氏:簡単な経歴を拝見した時から、コンサルティング業界が求めている方だと強い可能性を感じていました。
Tさんは日本の大手メーカーで化学系の研究開発に従事されていました。Tさんのようにメーカーの研究開発職の方は長年技術の研究をされているものの、なかなかビジネス化に至らずジレンマを抱えている方が多くいます。専門性の高い領域なので他社への転職可能性も低いと信じ込んでしまっている方が多いのです。
しかし今、一部のコンサルティングファームでは化学・エネルギー領域へのコンサルティング案件が急増しています。あくまで一部なので会社は限られますが、Tさんを求めるコンサルティングファームは必ず見つかるだろうと、当初から強い可能性を感じていました。
コンサルティングファームと深い関係性がないと、どういったプロジェクトが現在進行形で進んでいるのか、今どういった方が求められているかのニーズは把握しきれていないかもしれませんね。
初めはTさんご希望の外資系コンサルティングファームを中心応募していました。
ただ、実際に選考も進み、面接対策などのやりとりを重ねる中で私がTさんに感じた適性は外資系のコンサルティングファームではないと思うようになりました。
Tさんは突き詰めて考えることを得意とする研究者気質の方です。技術をビジネス化したいという純粋でまっすぐな思いが転職へと繋がっていました。また外資系のコンサルティングファームに転職するとTさんがこれまでに経験したことのない領域も新しく学んでいく必要があります。
よりアカデミックな分野のコンサルティグの方がTさんの適正にもマッチしますし、入社後のストレスもなくやりたいことに思いきり専念できるのではないかと考えました。そこで新しく応募先企業をリストアップした中で有力候補として上がったのが三菱総研です。シンクタンクですからよりアカデミックな領域のコンサルティングに特化しています。中途採用は非常に狭き門ですがTさんのキャリアと適性を考えれば十分に可能性があると感じました。
三菱総研は応募者がくると、その方を欲しい部署が手をあげて選考をするという採用をしています。そのため結果的にTさんのキャリアにマッチしたポジションから手が上がり内定に至った、という経緯です。
プレゼンテーマの相談に乗り、準備はTさんがご自身でされています。Tさんは職業柄リサーチや資料を作るのは得意でした。ただお仕事でプレゼンをする機会が少なく、多少苦手意識をお持ちだったので模擬プレゼンを何度かして慣れていただきました。
ケース面接についてはまず参考となる本を読んでいただきます。本を読んでいると自分でもできるような気になってくるのですが、実際にやってみると意外とできない。そのためこちらで問題を出し、少し時間を与えてTさんに解いていただきディスカッションをする時間を設けました。問題は過去問をベースに、コロナ禍といった今の世界情勢や最近の面接で追加で出されるような問題も加えて対策をしていきました。
Tさんは真面目で素直な性格で、突き詰めること、追究することが好きな方です。自分がやりたいことが明確で軸がしっかりしており、技術をビジネスに活かしたいという強い思いがありました。Tさんの性格と思考が今回のポジションにピッタリとマッチしたことが内定の決め手だったように思います。
実際年収は上がりましたが 年収は目的ではなく、あくまでやりたいこと、ご自身の中でのテーマを実現するための転職でした。三菱総研という非常に狭き門を通過されたTさんだからこそできるテーマを追求し、コンサルタントして活躍されることを願っています。
貴重なお話、ありがとうございました。