2023.10.24

半導体設計やCAE解析を中心にした製造業領域に特化。高い専門スキルと、スペシャリスト志向を持った開発エンジニアへの紹介実績が豊富

業界・企業に特化し、誰よりもリアルで最新の情報を持つトップヘッドハンター。エージェントファインダーで紹介する各ヘッドハンターは、採用決定率を高めるためにどのような工夫を凝らしているのか。エージェントファインダー代表取締役・粕谷暢司が、特定の業界や企業への高い内定率、リピート率を誇るヘッドハンターにその秘訣を伺いました。

小崎 嘉大さん
タイグロン パートナーズ株式会社
エグゼクティブディレクター

大学卒業後、外食チェーン、外資系医療機器メーカーを経て、人材業界で15年の経験を持つ。製造業領域の経験をコンサルタントとして積み、主に半導体を中心にハードウェア全般の領域に強みを持つ。開発エンジニア、セールス、技術コンサルタントなどを得意とする。

電子電気系の領域で、半導体設計やEMCエンジニア、CAE解析エンジニアに特化

粕谷:

これまでのご経歴とともに、小崎さんが手掛ける人材紹介領域の強みや特徴を教えていただけますか。

小崎さん:

人材業界に入ったのは20代半ばのことです。大学卒業後、外食チェーンや外資系医療機器メーカーを経て、2006年に人材広告会社に転職し、営業を約10年経験しました。人材領域に興味を持ったのは、学生時代の就活で苦労したこともあり、求職者の気持ちに寄り添う仕事がしたかったから。その後、より求職者個人に向き合おうと2017年に人材紹介領域に移りました。製造業への紹介実績を多く積み、2021年にタイグロン パートナーズに入社しました。

製造業の具体的にどのような領域、職種での実績を積まれたのでしょうか。

電子電気系の領域で、半導体設計やEMCエンジニア(自動車の電磁両立性(EMC)の測定や試験を行うエンジニア)、CAE解析エンジニア(CAEソフトウェアを利用した解析や、シミュレーションを行うエンジニア)、MBD(モデルベース開発)、MBSE(モデルベース・システムズエンジニアリング)コンサルタントなどの専門職を強みとしています。

これまでの実績では、LSI(高密度集積回路)検証や半導体設計を専門とする会社など、多くの受託系企業への紹介を手掛けてきました。

非常に専門的な領域を強みとされていらっしゃいますね。

前職の人材紹介会社で任された領域がたまたま製造業だったんです。でも、そもそも紹介業自体が未経験でしたし、製造業の知識もゼロベース。当初は候補者の職務経歴書を読み、単語の意味を理解することすら難しかったです。

そこから、業務知識や専門スキルの理解はどう深めていったのでしょう。

大きな転機となったのは、私にとって初めての紹介実績となった、ある半導体設計経験者との出会いでした。離職3年という珍しいご経歴で、ご自宅の近くまで会いに行ったところ、大手半導体製造装置メーカーの部長経験者だということが分かりました。「趣味でプラモデルの設計をしていて、時間はたっぷりあるんだ」と言いながら、その方が半導体設計や製造に関する用語や業界の仕組み、ものづくりの商流、職務経歴書の読み方までゼロからすべて教えてくださったんです。

さらに、「自分の経歴なら、〇〇社のこんなポジションにニーズがあるのではないか」と逆提案され、その会社の社長に話をしに行ったところ、面接が設定され即内定が出ました。「最先端プロセスの設計管理責任者として、すばらしい人材だ!」と社長にも感謝され、私にとって初めての成功体験になりました。

それ以来、分からないことは候補者に聞いて理解を深めればいいんだと、肩の荷が軽くなりました。ご本人が何をやりたいのか、ヒアリングを大事にすることで、決定実績を重ねられるようになりました。

そんな高度な専門人材が3年も離職していたなんて、泥臭く会いに行ったから生まれた紹介事例ですね。

そうですね。その方からは、「家の近くまで会いに来てくれたヘッドハンターは初めてだ」と言われました。

今も、候補者の方とはできるだけ対面でお話をお伺いしたいですし、採用企業の社長にも直接アプローチするなどのコミュニケーションを大事にしています。

専門領域の業界・業務理解の深さが、求職者との信頼を作っていく

粕谷:

転職支援する候補者には、どのようなご経歴、キャリア志向の方が多いのでしょう。
小崎さん:

半導体設計一筋、CAE解析一筋など専門性が高く、職人気質の方が多いです。

紹介企業に受託系が多いとお伝えしたのは、設計が好きで自ら手を動かしたいという方は、メーカーよりも受託系のほうがモチベーション高く仕事ができるからなんです。

例えば、世界的に自動運転が広がる昨今、電磁波の解析ができるエンジニアや、車が衝突した際にどう壊れるかをシミュレーションソフトで解析できるエンジニアのニーズは高く、これからますます高まるでしょう。

ただ、メーカー内でCAE解析エンジニアは花形とは言えず、外注しようと考える会社もあります。非常に優秀で専門スキルを有した方でも、社内ではなかなか評価されなかったり、やりたいことがあっても予算をとってもらえなかったりと、はがゆさを感じていらっしゃる方は少なくありません。

そんな候補者の方に、CAE解析を本業でやっている受託会社や、CAE解析コンサルの会社を紹介すると反応がよく、企業側も「技術も高く、メーカー側の気持ちも分かる人材」として歓迎してくださいます。「マネジメントではなく現場で、技術屋として動きたい」という志向の方は、途端にいきいきとして、活躍までのスピードも早いですね。

候補者と企業側、双方のニーズがマッチしているんですね。ただ、マネジメントではなく現場志向となると、年収など条件面では下がってしまうのでは?

それが、ベンダーはメーカーの1.5倍くらいの年収が出ます。

大手自動車メーカーであれば30代で1000万円前後ですが、一部の大手を除くメーカーは600~700万円が相場です。一方、固定費が少なく、技術力を付加価値として提供しているベンダーは利益率が高く、40代で1500~1600万円が相場になっています。

そうなんですか!

候補者の中にも、そうした市場相場を知らない方が多く、お話すると驚かれます。業界構造全体の話から、各社の詳細な働き方の違い、人材ニーズまで伝えられるところが私の強みです。「仕事内容を理解してくださるヘッドハンターに初めてお会いしました」とよく言っていただけます。

社長との深いリレーションで、潜在している求人ニーズの提案も手掛ける

粕谷:

企業側とのリレーションはどのように築かれていますか。情報を得るために工夫されているポイントがあれば教えてください。
小崎さん:

求人の話は、ほぼすべて、社長としています。出ているポジションは求人情報を見れば分かりますが、募集背景にある事業の展望は社長に聞かなければ分かりません。「10年後にこういう組織にしたいから、こんな人を入れたい」という思いをLINEでやりとりすることもあります。

社内状況をすべて聞いた上で、候補者をピンポイントでご紹介しますし、採用ポジションの決裁者には必ず会っているので、書類選考を受ける時点で内定が出るか出ないかが分かります。もし、面接で懸念になりそうな点があれば、企業側に事前に伝え、内定が出る前提で候補者の意向の把握に努めます。

企業側とも、1対1で信頼関係を築いているんですね。これまでの紹介事例には、具体的にどのようなものがありますか。

47歳のエンジニアの方を、未経験ながらMBSEコンサルへ紹介した事例や、LSI検証事業を行う会社の社長の右腕として、57歳のCFOのご入社をサポートした事例があります。ともに、求人ニーズが顕在化していなかったのですが、社長と話をする中で、「この候補者はMBSEコンサルに必要なものづくりの全プロセスを経験しています。一度会ってみませんか」と推薦して採用につながったり、「専門知識を持ったCFOが必要では?」と提案してニーズを引き出したりしました。

企業の状況を常にアップデートして理解しているからこその提案ですね。改めて、候補者の方にとって小崎さんに転職サポートをお願いする価値は何だとお考えですか。

候補者の方とは、「仕事の何にモチベーションを感じているのか」をお伺いしながら、その方の志向に合う業務や働き方を紹介していきます。半導体設計やCAE解析エンジニアの領域に特化したヘッドハンターは国内でも珍しく、皆さんが転職を考える際に、どんな悩みやもどかしさを抱えていらっしゃるのか、理解も深いと自負しています。

今の環境を変えたい…と目先の視点で転職を検討する方もいらっしゃいますが、大事なのは5年後、10年後に自分がどんなキャリアを積んでいたいのか。長期スパンで考えるお手伝いをしていきたいと考えています。

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