2021.04.11

AI、IoT、fintechなどIT業界に特化! 入社後の活躍にフォーカスし、候補者とこれからのキャリアプランを考える

業界・企業に特化し、誰よりもリアルで最新の情報を持つトップエージェント。 エージェントファインダーで紹介する各転職エージェントは、採用決定率を高めるためにどのような工夫を凝らしているのか。 エージェントファインダー代表取締役・粕谷暢司が、特定の業界や企業への高い内定率、リピート率を誇る転職エージェントにその秘訣を伺いました。

松井 健治
株式会社フューチャーリンク 代表取締役

早稲田大学法学部を卒業後、外資系金融、政府系金融、大手人材会社出身者などで構成されるヘッドハンティング会社に入社。 その後、同社がインテリジェンスに買収され、インテリジェンス系ヘッドハンティング会社のIT/ベンチャー領域の現場責任者として経営層、事業責任者、エンジニアなどの転職をサポートをし、最終的には全社売上の3分の1を個人で貢献する。2年連続で社内MVP受賞し、一定の貢献が出来たことにより、同社を退職。 2006年に、当時のメンバー数名と株式会社フューチャーリンクを創業。IT/インターネット業界のボードメンバーを中心に決定実績は800名以上。インタビューした候補者の方々は10,000人以上にのぼる。 直近では、AI、IoT、fintech、IT×業界特化などのスタートアップ領域にも多数の実績。

経営者視点を持ちたくて自ら起業を決めた

粕谷:

IT業界に特化したエージェントとして活躍されています。ITを得意としてきた経緯から教えてください。

松井さん:

私は20代でヘッドハンティング会社に入りましたが、当時、20代前半のヘッドハンターはほかにほとんどいませんでした。若くてもパフォーマンスを発揮できる分野はどこかと考え、未開拓のIT業界に特化しようと決めました。 経営陣も30代と若い世代が多く、すぐアポイントをいただける好奇心旺盛な人たちばかり。順調に人脈を広げ、成果もついてくるようになりました。ヘッドハンターとして自信がついた29歳のときに独立し、会社を立ち上げました。
ほかのエージェントへの転職ではなく、起業を選んだのですね。
自分でやってみたほうが、経営者の気持ちがわかるようになると思ったんです。 ベンチャーやスタートアップ企業を担当することも多いので、会社のトップに立つ人の当事者視点を知るには、起業した方が密度の高い経験ができると思いました。
IT業界といっても変化が目まぐるしいと思いますが、今はどんな企業を担当していますか。
企業規模は大手からベンチャー、スタートアップまでさまざまです。SaaSやAI、IoT、fintechなどが多いですね。

企業が言語化できていない人材ニーズも、こちらから提案

粕谷:

松井さんはこれまで、ビズリーチの「ヘッドハンターサミット」でIT・インターネット部門MVPを2年連続でとられたり、リクルートライフスタイル、GREE、リクナビNEXTからも多くのアワードを受賞されたりと、継続的に成果を出されています。 その秘訣をぜひお伺いしたいです。

松井さん:

いつも心がけているのは、候補者を紹介する際に「僕がこの会社の経営者だったら採用するかどうか」という当事者視点を持つことです。
経営者として判断するには、松井さん自身が事業内容と組織状況を深く理解し、候補者が入社後に具体的にどのような業務で会社に貢献してくれるのかまでイメージできなければいけませんよね。
そうです。ホームページの内容や決算情報などを読み込み、それぞれの事業に対してどのような人材が必要かを予測した上で、経営者や人事担当者に提案します。もし人材要件にズレがあればすり合わせし、入社後にどう活躍できるか、中長期的なキャリアパスも考えた上で、候補者を紹介しています。
顕在化していない採用ニーズをとらえ、提案することもあるのでしょうか。
もちろんあります。転職エージェントは本来、企業側が言語化できていない人材ニーズを掘り起こす仕事だと思っています。 企業側と、「今の事業フェーズならこういう人が必要では?」「こんな経歴の候補者がいれば、投資する価値があるのでは?」と話をしていると、私の提案に耳を傾け、真剣に検討してくれるようになるんです。求人情報として出ていなかったポジションでも、「では、その方に会ってみましょうか」と動いて採用に至ったケースもあります。
カウンターパートとなる方は、経営者だったり人事担当者だったりさまざまなんですね。
そこは企業によって異なりますね。しっかりコミュニケーションを重ねることは大事な一方、企業側と距離が近すぎると、企業の理想に引っ張られて客観視できなくなるケースもあります。とくに経営者は、思い描く将来像に向けて「上位層のこんな人材がほしい」とカッコいいことを言いがちでしょう(笑)。でも、よくよく現場を見ると、もっとも必要なのはいちエンジニアだったりします。 そのため、企業によってはまったく訪問をせずに、メールベースのやりとりだけで採用決定率を上げることもあります。適度な距離を保ちながら、「こんな人が必要なのでは」とフラットに提案できる視点も、大切にしています。

転職エージェントの介在価値は「探すこと」にあり

粕谷:

候補者の方とはどのようなコミュニケーションを心がけていますか。
初回面談ではマインドマップ(思考や発想を図式で表現する方法の一つ)を作って現状を可視化し、「次の環境でどう成果を出せるようになりたいか」という未来志向で職務経歴書の添削をしています。 応募先企業を絞る際は、その企業の経営資源や事業計画を見た上で、「あなたにはこの経験があるから、経営資源の規模から考えて、年間売上10億円ほどを任されるプロダクトマネージャーとしても働けると思います」など、具体的な仮説を伝えています。 面接対策も、応募先企業でどのようなパフォーマンスを発揮できるのか、という点で自分のスキルや経験を伝えられるようにサポートします。
あくまでも、入社後の活躍にフォーカスするんですね。
そうですね。活躍できるかが、転職の本質的な目的ですから。 転職エージェントの最大の介在価値は、候補者を「探す」ことにあると思っています。アメリカでは転職エージェントを「サーチファーム」というくらい、探すことが重視されている。 「この人はこの業界のこの職種で活躍するべきだ」と探すことができれば、口説くことなく、転職の道が開けます。探し出せた優秀な方が、言語化がうまくいかずに面接で落ちてしまうのはもったいないので、各フェーズで自分なりのサポートの仕組みを作っています。
となると、候補者にスカウトを送った時点で、転職先の仕事や企業のイメージがついているということなのでしょうか。
候補者とアポをとった段階で、先に企業情報をお送りすることもあります。会う前から、その方のやってきたことやキャリア志向を想像し、仮説として提案してみるんです。もちろん、合っていないこともありますから、面談でズレを調整していきます。事前に情報をお送りするときは、「こういう見立てで送っていますが、ご希望に合っているかわからないので面談でお話しさせてください」というコミュニケーションをとり、押し付ける印象にならないよう注意しています。
松井さんが、候補者をサーチして入社に至った具体的な例にはどのようなものがありますか。
大手電機メーカーの研究所にいたエンジニアが、AIベンチャーに転職したケースがありました。大手メーカーでは年単位で物事が動き、意思決定のスピードが遅いんです。大規模組織ゆえに経営陣は現場をよくわかっていなくて、研究した内容がどう実装につながっているのかも見えにくい。 そこで、「この方は違う働き方でもっと力を発揮できるのではないか」と考え、経営の意思決定が早く実装後がすぐわかるAIベンチャーを紹介したところ、候補者、企業側ともにとても満足のいく結果になりました。
業界に特化し、仕事内容のほかに働き方への理解があるからこそ、提案できたケースですね。
候補者のレジュメを見ると、現職(前職)の技術開発環境や、論文の内容からだいたいの得意とする分野がわかります。「画像関係のこの仕事をしているのなら、この企業で生きるはず」などイメージできるのは、長くITに強みを持ってきたからかもしれません。
最後に、今転職を考えている方に向けて、転職エージェント選びのポイントがあれば教えてください。
重要な決断を一緒に進める相手ですので、話心地のいい人と出会ってほしいです。 私は、マインドマップや面接対策など、自分なりのやり方をいくつか確立していますが、誰にでも同じことをするわけではなりません。自分の状況をうまく言語化できていないと感じたらマインドマップの時間をしっかりとりますし、不要だと思えばやらないこともあります。 候補者の方が、「自分に合わせて対応してくれる」と感じられるかどうかが、選ぶポイントの一つになると思います。
Pocket

入社したい企業がある方は
まずはお気軽にご相談ください

合わせて読みたい関連記事

2023.06.09

国内唯一の元ベンチャーキャピタリスト ヘッドハンターだからこそできる “目利き”で、知る人ぞ知る超優良ベンチャー・スタートアップ企業とのマッチングを実現!

READ MORE