業界・企業に特化し、誰よりもリアルで最新の情報を持つトップヘッドハンター。エージェントファインダーで紹介する各ヘッドハンターは、採用決定率を高めるためにどのような工夫を凝らしているのか。エージェントファインダー代表取締役・粕谷暢司が、特定の業界や企業への高い内定率、リピート率を誇るヘッドハンターにその秘訣を伺いました。
今回登場いただくのは、sincereed株式会社でヘッドハンターをされている小柳氏。
これまでIT/Web職種において2000人以上の転職者と面談し、通算500名を超える転職支援をされ、5000人のヘッドハンターの中で1位の実績を残されてきた方です。
現在はsincereed株式会社でIT業界や事業会社のIT職種の転職支援をされている同氏に、ヘッドハンターへと至った経緯や人気企業への転職支援を実現させるサポート内容について詳しく伺いました。
小柳 友里江さん
sincereed株式会社
エージェント
新卒でアパレル企業に入社。その後、2018年にIT・Web・ゲーム業界専門の転職エージェント株式会社Geeklyに中途入社し、キャリアアドバイザーとして約2000人以上の転職支援に携わる。主にエンジニア、プロジェクトマネージャー、コンサル等の職種での転職支援実績が豊富。
粕谷:
小柳さん:
大学卒業後、アパレル企業で主にビジネスパーソン向けにスーツやジャケットなどを販売していました。仕事自体はやりがいもあって楽しかったのですが、暇ができて掃除をしたり、畳んである服をもう1回崩して畳んだりしている時に、この時間はちょっともったいないなと思ってしまいました(笑)。当時仲良くさせていただいていたお客様で、とても仕事を頑張っている方がいて、その方から「1週間のうち5日仕事があるのであれば、仕事は楽しくありたいね」と言われたことが、とても印象に残ったんです。
アパレルの仕事もやりがいはあったのですが、仕事をしている時間は楽しくありたいし、もっとやりがいを持ちたいと思った時に、仕事選びはとても重要だなと思ったんです。その大事な意思決定に携われる、転職エージェントの仕事はすごく面白そうだし、自分自身がやりがいを持てそうだと思い、株式会社Geeklyというエージェントに転職。ヘッドハンターとしての仕事を始めました。
その時から求職者を担当するキャリアアドバイザーを3年間やって、その後、少しずつマネジメントも経験させていただきました。ギークリーでは主にIT/Web業界のエンジニア、PM、コンサル等の方の転職支援をさせていただき、現職のsincereedではIT業界に加え、大手事業会社等の非IT業界のDX部門などを担当させていただいています。
粕谷:
実績でお伝えすると、ある日本最大級の転職サイトの中で、約5000人いるヘッドハンターのうち1位を何回かとったことがあります。
そうですね、いくつか指標があるのですが、例えば転職支援した人数やオファー年収、面談した求職者様からのアンケートがありまして、その総合スコアで順位が決まっていました。
定性的な話になってしまうのですが、私は求職者との面談時には、「気づきを1つでも持って帰っていただく」ということを大事にしています。
現在転職エージェントが沢山ある中で、私(小柳)を使って転職活動をしたい、と思っていただかなければならない時代です。ただ単に当たり前のことや、他の人でもお伝えできるような情報を言うよりは、「私(小柳)と話したから知れた!」ということをお伝えするようにしています。
まずは面談する方のことをよく理解しないと気づきを与えることができないので、当たり前ですが、面談前の準備をしっかりやります。
私は初回面談がエージェントの仕事において一番大事だと思っているのですが、具体的には、その方の履歴書・職務経歴書をしっかりと端から端まで読み込みます。それはレジュメの添削という意味もありますが、その方がどういう学校を卒業して1社目どこを選んで、2社目があればどこの企業でどういう業務をしているのかを見ていく。その中で、意思決定の癖や背景などの仮説を立てていきます。
もちろん固定観念が邪魔になることもあるので、仮説にすぎません。ただこの経歴のパターンだったらこういう転職理由かなとか、もしそうであればこういう求人がいいかなとか、そういったところも踏まえて時間をかけて準備し、面談時に気づきを与えられるようなことを考えて臨みます。
離職期間が1年以上あった方を入社難易度が高いコンサルティングファームへ転職支援したケースがあります。
はい、本来であれば離職期間が1年以上もあるとほとんどの企業では書類選考が通らないことが多いです。ただこの方は、学歴も経歴も素晴らしく良かったので、これだけ経歴が優秀であれば、絶対に転職できる企業があると思い、面談をしてみようと思いました。
この方は当時30代前半で、1社目は大手SIerでエンジニアをされ、2社目は友人と一緒に共同創業したWebサービスの会社でCTOをされていました。その2社目の事業がうまくいかず、会社を畳まないといけなくなったので、それまで一生懸命会社を創業し頑張ってこられたこともあり、少しお休みをしようということで離職期間があった方でした。お休みにしては長かったと本人も言っていたのですが。苦笑
当時、まだ現職に入社したばかりだったので、具体的に提案できる求人企業が頭に浮かんでいたわけではありませんが、この方のご経歴的に、離職期間がなければ絶対にいろいろな企業から内定が出る方だな、という自信はありました。私がこれまで多くの転職支援をしてきたIT業界は経験やスキルをとても重要視する業界ですので、この方の経歴であれば、離職期間があっても内定は出ると思っていました。
ただ、1年以上の離職期間というのは決して短いわけではありません。転職活動を進めていく際には、採用企業の離職期間に対するマイナスイメージも伝え、それを踏まえた上で内定を獲得するためには、ある程度受けていく会社の数も必要ですということはお伝えしました。
結果的には20社近くの企業に応募をし、大手外資のコンサルティングファームから内定が出て、そちらに入社されることになりました。
まず、どんなに経歴が良い方も採用企業における書類選考で落ちてしまうことはあります。そこで書類選考の通過率を少しでも上げるために、書類選考の際に、私の方で推薦文というものを記載しています。この方の際は、1年以上離職期間があった理由や背景をしっかりと記載しました。あわせて、この方の人柄の良さや、ご経歴からその企業でパフォーマンスが発揮できそうだということを添えて推薦し、まずは無事に面接に進んでいただくことになりました。
はい、まさにその通りだと思います。やはり履歴書・職務経歴書だけでは伝わる情報も限られていますし、会ってみないと伝わらない魅力があると思います。この方も書類選考を通過し面接に進んでからは、その評価がとても高く、とんとん拍子で内定まで進みました。
人生の中で大部分を占める「仕事(キャリア)」が充実していれば、人生はより良いものになっていくと思っています。
私自身、2度の転職経験とキャリアアドバイザーとして様々なキャリアの方の転職支援をさせていただいたからこそ、他の方々の悩みも理解し寄り添いながら、ベストな選択を一緒に考えるお手伝いをさせていただけると考えております。
ご面談をさせていただいた方の中には、「転職する!」とまだ決めておらず、「現職に大きな不満はないけど漠然とキャリアに不安を感じている」「自身の市場価値を知りたい」といった方も多くいらっしゃいます。まずは相談ベースでといった方も、お気軽にお問い合わせください。