業界・企業に特化し、誰よりもリアルで最新の情報を持つトップヘッドハンター。エージェントファインダーで紹介する各ヘッドハンターは、採用決定率を高めるためにどのような工夫を凝らしているのか。エージェントファインダー代表取締役・粕谷暢司が、特定の業界や企業への高い内定率、リピート率を誇るヘッドハンターにその秘訣を伺いました。
今回登場いただくのは、リクルートでスタートアップから超大手企業まで様々なHR課題に対して総合サービスを提供する営業として活躍後、VCに在籍してスタートアップのハンズオン支援を実施。現在はOne Work株式会社を設立し、国内でも数少ないVC領域の転職支援に特化したヘッドハンター。
そんな同氏に、ヘッドハンターへと至った経緯やスタートアップ転職を実現させるサポート内容について詳しく伺いました。
大須賀 洋平さん
One Work 株式会社
一橋大学を卒業後、株式会社リクルートでHR領域の総合営業としてスタートアップからメガバンク、大手自動車メーカーなどのクライアントに対して、新卒・中途採用、組織コンサルティングなどの人材総合サービスを提供。その後、企画部門にて、営業企画、商品開発、新規事業(RPO)の開発・推進に従事した後、2016年に成長スタートアップをハンズオンで支援することをコンセプトに独立。シード期からIPO準備期のスタートアップまで幅広く支援。2018年から2019年にかけてはREAPRA Venturesで、投資先スタートアップをハンズオン支援。 2020年One Work株式会社を設立して代表取締役就任、現在はVCへの転職を得意とする。
2003年に株式会社リクルートに新卒として入社、2014年まで11年在籍しました。
最初の8年間がHR(人材系サービス)の総合営業、その後、事業部直下の企画として事業企画業務や事業開発業務、RPO(採用代行サービス)の立ち上げなどに従事しました。
2016年からフリーランスとして独立し、スタートアップやVC領域に特化したヘッドハンターとして活動し始めました。
もともと、スタートアップの成長支援をすることで社会の役に立ちたいという思いがあります。スタートアップにRPOで中に入り込んでお手伝いしながら、自分で求職者をソーシングしてマッチングすることができたら、よりお役に立てるなと思ってやり始めたという経緯です。
ディープテック系のVCのキャピタリストや、VCの投資先であるディープテックやAI、SaaS系のスタートアップのCXOレイヤーからメンバークラスまで幅広くあります。
私が創業したOne Workという会社のミッションとして『ソーシャルインパクト』を掲げています。社会課題を解決したい、社会をより良くしたいという想いを持った人や組織をHR面から支援することで、我々自身も社会を豊かにすることに貢献したいという想いです。
ディープテック領域のスタートアップは、テクノロジーを活用して社会課題を解決しようとしているプレイヤーの代表格であり、VCやスタートアップの方々とお話ししていると心から共感できることが多くありました。そのため創業当初から、ディープテックVC及びその投資先とつながりをつくり、採用面で支援をしてきました。
例えば、2021~2022年には経済産業省の事業に採択され、UntroD(旧リアルテックホールディングス)さん・DRONE FUNDさん・弊社の3社で、大企業人材をディープテックスタートアップに流動させるというテーマに取り組みました。
他にも、Beyond Next Venturesさんや、大学発のVCさんとも定期的にMTGを実施し、その投資先の支援を実施しています。
もちろん、ベンチャーキャピタル業界にいた方もいらっしゃいますが、大手メーカーの研究職の方、コンサルティング会社のコンサルタント、もしくはディープテックスタートアップで事業開発していた方など、様々なバックグラウンドを持った方々が活躍しています。
まず、経験者の方からご相談いただくケースとしては、VC同士ですでに接点があるため、「どれくらいの経験のキャピタリストを求めているのか?」「今回の募集の背景は?」「給与条件の詳細は?」など、直接VCには聞きにくいことをエージェント経由で把握したいという方が多くいらっしゃいます。
一方、未経験者の方は、「そもそも自分がキャピタリストになれるのか?」「キャピタリストになるための条件は?勉強したほうがいいことは?」「どのようなVCだと可能性がありそうか?」など、昨今、VCが注目されキャピタリストになりたい方も増えているため、自分がキャピタリストになれるのか、どうしたらなれるのか、という質問が多いです。
VCによって、投資スタンスや支援スタイルにそれぞれ色があり、 求める人物像や重視するカルチャーも異なり、我々のようなエージェントが介在する意味があると感じています。
現在、ディープテックに限らず、数十社のVCとのコネクションがあります。日本でVCは数百社あるので、まだまだお取引先を広げていきたいと考えています。
人気があるのは、戦略系もしくは総合系コンサルティング会社系、証券会社・監査法人などの金融系、スタートアップで事業開発をやっていたり、事業会社でベンチャー投資をやっていた方などだと思います。
VCによって異なりますが、年収600万から1000万円程度、5~10年ほどの経験者などになると1500万前後のオファーもあります。そこに、投資先がエグジットしたときのキャリーというインセンティブが乗っかってくるのが一般的な報酬設計です。
我々はいくつかのVCに、RPOとして採用支援に深く入り込んでいます。そのため、VCのパートナーやベンチャーキャピタリストと日々会話し、「こういう人が欲しい」という採用面についてはもちろんのこと、投資方針や投資先や実際の投資先支援の仕事内容などについて、そのVCで働いている人と同じ目線や理解度を持っています。ですから、実際に転職を考えている方にも解像度が高いリアルな情報を提供できると思っています。
VCは、スキルはもちろんですが、本質的にやりたいことがVCが掲げている理念に合致しているか、マインド面を非常に大事にしています。
自分がお金を稼ぎたいとか、自分がリターンを得たいとかではなくて、 世の中に眠っているテクノロジーやビジネスチャンスを発掘し、それがなかなか日の目を見ないという状態から、 ビジネス化して企業として育てていって、 結果としてそれが日本や世界など世の中にインパクトを与えていく。そこに本当に共感していないとなかなか採用されないのが現実です。自分がキャリアアップしたいから、VCやキャピタリストが楽しそうだからなどの動機では不採用になります。私は転職希望者にVC個社ごとの特徴をお伝えしたり、転職者のやりたいことや想いを引き出して最適なマッチングを提供しています。
一つは、キャピタリストとしてVC内でキャリアを構築していくか、自分で独立してファンドを組成するか。 もう一つはスタートアップに転職してCFOやCXOになる方も少なくないですね。
VCでキャピタリストをやっていると、エクイティファイナンスによる資金調達、また事業や財務のデューデリジェンスの経験、事業ハンズオンの経験、事業やビジネスモデルを見る目も養われます。
VCキャピタリストの仕事は、一見、華やかに見えますが、投資先は日々ハードシングスに直面していますし、事業としてうまくいくかどうかもわからない。そのような中で、投資から10年単位でのコミットが必要な非常に泥臭い仕事だと思います。それでも、VC・スタートアップ領域には他にはない魅力が詰まっており、そのような環境でやりたいと思える方は、ぜひチャレンジしていただきたいと思っています。ご興味ある方はお気軽にご相談ください。