2022.09.05

大手メーカーの経営幹部層など非公開求人を多く担当。経営者との密な連携でピンポイント人材のマッチングを実現

業界・企業に特化し、誰よりもリアルで最新の情報を持つトップヘッドハンター。エージェントファインダーで紹介する各ヘッドハンターは、採用決定率を高めるためにどのような工夫を凝らしているのか。エージェントファインダー代表取締役・粕谷暢司が、エグゼクティブ層への高い内定率、リピート率を誇るヘッドハンターにその秘訣を伺いました。

井上和幸
株式会社経営者JP
代表取締役社長・CEO

1966年群馬県生まれ。1989年早稲田大学政治経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。人材開発部、広報室、学び事業部企画室・インターネット推進室を経て、2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年より株式会社リクルート・エックス(2006年に社名変更、現・リクルートエグゼクティブエージェント)。エグゼクティブコンサルタント、事業企画室長を経て、マネージングディレクターに就任。

2010年4月に株式会社経営者JPを創業、代表取締役社長・CEOに就任。経営者の人材・組織戦略顧問を務める。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供している。人材コンサルタントとして「経営者力」「リーダーシップ力」「キャリア力」「転職力」を劇的に高める【成功方程式】の追究と伝道をライフワークとする。 実例・実践例から導き出された公式を、論理的に分かりやすく伝えながら、クライアントである企業・個人の個々の状況を的確に捉えた、スピーディなコンサルティング提供力に定評がある。自ら2万名超の経営者・経営幹部と対面してきた実績・実体験を持つ。

ベンチャー企業で幹部層の採用に苦戦。実体験から幹部層の人材紹介ニーズを実感し、起業

粕谷:

リクルートでの事業企画やリクルートエグゼクティブエージェントでの経験を経て、2010年に創業されています。エグゼクティブ人材に特化した人材紹介会社を立ち上げた思いを教えてください。

井上さん:

2000年に、リクルートを出て人材コンサルティングベンチャーに取締役として参画した経験が大きなきっかけになっています。そこはリクルートの元同僚が立ち上げたベンチャー企業で、大手アパレル企業を中心としたクライアントの新卒代行などを手掛けていました。私が入ったときは社員7名ほどでしたが、約5年で100人規模まで急成長。マネジメント層の採用が急務となりました。

最初は後輩や友人などにあたり、いわゆるリファラル採用ができていたのですが、すぐに人材不足に。「いい転職エージェントにお願いしよう」と探し始めましたが、そのエージェント自体がないことに気付かされました。

エグゼクティブ人材に特化したエージェントがなかった、ということなんですね。

そうです。人材領域を「幹部層」「若手層」「外資企業」「内資(日系)企業」で整理していくと、外資のエグゼクティブ人材に強いエージェントはありますし、国内の若手から中堅向けのサービスも充実している。しかし、日系企業で経営幹部層にリーチできるプレーヤーは見当たりませんでした。自分事としても困りましたし、リクルートで事業企画をしてきた経験から「ここにビジネスチャンスがあるだろう」と感じました。

2000年代はスタートアップが増えてきた時期で、周りの起業家たちも「経営幹部人材の外部採用に困っている」「どこに相談すればいいのだろう」と頭を悩ませていた。周りのニーズの多さに、私自身が人材紹介会社を立ち上げようと考えました。

大手レガシー企業での幹部人材など、経営戦略と紐づけて紹介を進める

粕谷:

井上さん自身が経営者であり、ヘッドハンターとしても活躍されています。どのような業界、職種で実績がありますか。
井上さん:

業界は幅広く、大手流通グループ、大手時計メーカー、大手製菓メーカーなど、レガシー産業でのトップマネジメント層採用も多いです。

例えばホームセンターのクライアントとは、ここ3年でDX推進に強い幹部層採用を進めてきました。会長と各グループ会社の社長とコミュニケーションを重ね、案件化しているニーズ以外に「その状況でしたら、こんな経験の方が必要かもしれないですね」と紹介していくケースも多いです。

大手時計メーカーでは、外に一切出ていない求人案件を当社だけで担当し、グローバル拠点を任せられるトップ人材の採用をお手伝いしたりもしています。製菓メーカーでは、マーケティング責任者や海外事業部門のトップ陣、新規事業部門のトップ、次世代リーダー層の採用にも携わっています。

企業側とは、経営陣と一緒に採用戦略の立案といったところまで入り込んでいるんですね。

そうですね。お取引のある企業様は、トップとダイレクトにコミュニケーションできるところが多いです。そうした関係性だからこそ、ときに先方が想定していなかったようなピンポイント人材を紹介できるなど、芯をとらえた推薦ができていると感じています。

その“推薦”を実現するために、経営陣とは具体的にどのようなやりとりを重ねているのでしょう。

経営課題を一緒に話しながら、組織体制のどんなところで困っているのかを聞いていきます。ほかには、各部門のトップはどんな人で、何を大事にしているのかなど、現場のリアリティある情報をヒアリングし、企業の現状の理解を深めています。

経営層の採用で大切なのは会社や商品への愛、入社後にやりたいが明確か

粕谷:

リアリティのある企業情報は、候補者の方にとっても有益ですね。
井上さん:

候補者の方には、採用背景も含めて、いいところも改善すべき点も正直にお伝えします。

「組織のこういうところはいい。でも、ここは大きな課題で、現場の方も困っている」などと共有し、「どうしていったらいいと思いますか」と候補者の方と話もします。

経営幹部人材が多いので、課題改善に向けて入社後にどう動こう…と前向きに取り組める方が望ましい。目線合わせのために、一緒に議論することは大切だと思っています。

なるほど。ほかに、ハイレイヤーだからこそ心がけているコミュケーションはありますか。

候補者の方がどういう思いを持っているのか。転職して何をやりたいのかは結構しつこく聞きますね。

経営幹部クラスの方々でも「何でもやります」「任されたことに対してバリューを発揮します」という方は意外と多い。でも私個人の考えとしては、経営領域・幹部領域の上位を任せる方には、「何をやりたいか」が明確であることが、とても重要だと思います。

もう一つ欠かせないのが、自社の商品やサービスに愛があること。転職先に終生在籍する必要はもちろんありませんし、ファンクション型の経営プロ人材も歓迎です。ただ、トップとして入っていくのであれば、やっぱりその会社のプロダクトに対して、「この商品のここが好きだ」「この事業をよりよくしたい」という思いが必要でしょう。それがなければ、困難を乗り越えられないと思います。何があっても最後まで逃げずに向き合う人が経営陣だと思うので、候補者の方にも、その視点、覚悟があるかどうかはしっかりと聞くようにしています。

経験やスキルマッチが重要な中堅層の転職とは、また違いますね。

これからお会いする候補者の方へのメッセージがありましたら、お願いします。

もちろん、どんな実績があってどう貢献できるかという「CAN」も見ていますが、上位レイヤーになると、それは大前提になります。

青臭い思いだとしても、その会社を愛して貢献したい、事業目標に向けて何としてでもやり遂げたいと本気で思う方にぜひお会いしたい。選考でも、最後の最後でマッチングしないケースの多くは、思いの強さ、温度差に原因があると感じています。現時点でやりたいことが明確になっていない方でも、コミュニケーションの中で秘めたものが見えてくることも多くあります。一緒に探っていきたいと思っています。

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