業界・企業に特化し、誰よりもリアルで最新の情報を持つトップヘッドハンター。 エージェントファインダーで紹介する各ヘッドハンターは、採用決定率を高めるためにどのような工夫を凝らしているのか。 エージェントファインダー代表取締役・粕谷暢司が、特定の業界や企業への高い内定率、リピート率を誇るヘッドハンターにその秘訣を伺いました。
新卒で歯科業界一位の商社に営業職として入社し、3年目に営業150名中から年間MVP受賞。翌年から本社に召集され新規部署立上げを行い3年間で売上を350%アップし事業を軌道に乗せる事に成功。30歳の節目に設立2期目の人材系スタートアップへ営業1人目のタイミングで転職。入社初年度から目標達成、トップセールスを継続。その後、現職に参画。
提示年収500~1200万円の、IT・コンサル・人材系などの無形商材を扱う企業への転職支援に強みを持つ。年収・市場価値向上の為のキャリア形成支援が得意。
粕谷:
小野さん:
当社はAI開発やD2C戦略、アドテク、ECなど複数事業を手掛けており、その中の一つとして人材プラットフォーム事業を持っています。
人材領域を事業としてスタートさせたのは2019年でした。クライアント企業の課題解決に向けて、研修事業からスタートし、育成対象である人材自体が足りないという課題に向けて新卒紹介、中途紹介事業へと広げてきました。
強みとする領域は、【自社事業のコネクションを生かした、D2Cブランドのマーケッター、広告代理店の営業など】【私の実績、強みを生かしたSaaS領域】の2軸です。
私が現職にジョインしたのは2021年12月からですが、SaaS系の教育サービス会社や、AI契約審査プラットフォームサービスを展開している企業では、半年で5名入社の実績があります。ほかにも大手広告代理店や、上場直前のIT企業、デジタルマーケティング系上場IT企業などでも決定があり、セールスリーダーやマネージャーレイヤーはもっとも得意としています。
ECやD2C企業も、4か月で3人の実績があり、男性化粧品やオーガニックシャンプーブランドなど成長中のD2C企業での取引も増えています。
人材業界やIT、広告代理店、金融、コンサルファームなど無形商材を扱う営業やマーケティング出身者が多く、より成長産業に身を置きたいという成長意欲の高い方が多いですね。25~35歳がボリュームゾーンです。
現在紹介している職種は、営業やマーケッターのほかに人事(HRBP)が中心ですが、今後はエンジニアやクリエイティブ職種などへも拡大していきたいと考えています。
粕谷:
私のファーストキャリアは歯科業界向け商社の営業職でした。入社3年目に、営業メンバー約150名の中でMVPになるなど実績は上げていたものの、30歳の節目に新しい挑戦をしたいと考え始めました。「もっと実力主義の領域で、営業として突き抜けたい」と、ヘッドハンターに相談していたら、その方から「うちでやってみては?」と話をいただいたんです。「営業で最強を目指したいのなら、人材領域は面白い」と言われ、社長が一人でやっている設立2期目の人材系スタートアップに転職。人材業界未経験の営業1人目でしたが、2か月目には売上300万円を作るなど、順調に実績を重ねることができました。
そうです。前職では営業職に特化したヘッドハンターとして、SaaS系企業の人事担当者だけではなく現場にも足を運び、活躍している人の経験やスキル、カルチャーマッチする人の要素まで詳しくヒアリングしていました。事業を伸ばしていくために営業力アップのアドバイスも行い、求職者の入社後の活躍まで具体的にイメージできるようになっていきました。
入社がゴールではなく、1年後やその先の活躍や成果につなげていこうと動いていたことで、企業と信頼関係が生まれ、紹介が広がっていったんです。現職の上長からも、実績を評価される形で声をかけてもらい、今に至っています。
これまでサポートしてきた方の紹介やリピートなどもありますが、多くは、ビズリーチなどデータベースを活用したスカウトです。
接点を多く持つことを心がけ、一人あたり5回は面談をしていますね。
初回面談では、「転職で何を叶えたいか」を明確にして、一緒にゴールを決めていきます。前職から、コーチングのフレームを活用したサポートを行っており、候補者の方がキャリア課題を解決した先にどんな姿でありたいのか、映像で浮かぶように一緒に作っていくんです。
求人企業の採用課題と、個人が実現したいキャリア、双方のマッチングを考え抜くので、応募先企業として提案するのは3~5社に絞ります。1社ずつ、「この企業であれば、入社後にこんな活躍を期待できます」と中長期的なキャリアを踏まえて熱弁していて、説明するだけで時間がかかってしまうんです。ただ、求職者によっては求人をたくさん紹介してほしい、選択肢を多く知りたいという方もいらっしゃいます。ほかにこんな企業もありますよと複数提示することもあります。
そうですね。これまで、面接のキーマンや現場で数字を見ている責任者にはしっかりと情報を取りにいっていました。人事の方と「採用成功を目指すパートナー」として関係を築いてきたので、現場とのパイプも強く持てたのだと思います。
転職サポートをした方とは、入社後も常に連絡を取り合っており、紹介した3~4人に一人の割合で、その人から新たな採用の依頼が来ています。そこから得られる現場の情報も大切にしています。
面接対策は、1回1時間は必ず取るようにしていて、人によっては3回にわたって行うこともあります。
質問内容にはその時々のトレンドがあり、今まで受けた求職者からのフィードバックや、求人企業との商談の中で聞く情報を蓄積してまとめています。以前は面接同席も多くしてきたので、どんな質問に対してどう回答するといいのか、私の中にノウハウもあるんです。それらを求職者の方と共有しながら、壁打ちを繰り返していきます。
また、内定が出たあともメールなどで頻繁にテキストコミュニケーションを重ね、求職者の方の心境の変化をタイムリーに把握するようにしています。その状況をもとに、求人企業側に「求職者がこんな点を懸念しているので、詳しい情報をください」「この条件面を変えられませんか」などと伝えて交渉することもあります。
より納得感を持って入社に至ることが、その後の活躍につながると考えています。
求職者一人ひとりの叶えたい姿を叶えるために、活躍できるフィールドをちゃんと提供できることかなと思います。入社後に活躍できなければ転職した意味がなくなってしまう。活躍の重要性をきちんと伝えることは、いつも心がけていますね。
また、ネガティブな情報もきちんと伝え、入社後のギャップが生まれないように気をつけています。
人材紹介事業は企業の成長と求職者のキャリアアップの両方を実現させることが大事です。求職者のキャリアが広がっていく、その入口を提供できるのはとてもダイナミックでやりがいのある仕事。ただ、表層的な希望ややりたいことを聞いて紹介するだけでは本質ではありません。その人が入ることで求人企業の成長につながるのか、お互いが幸せになるマッチングなのかという部分まで考え抜いて紹介をしています。
これからも企業、人の成長に寄与するための架け橋となり多くの転職サポート事例を増やしていきたいと考えています。