2026.07.15

事業会社のIT・DX部門への支援実績多数。一人ひとりの“転職の目的”に沿った選択肢を提案していく

業界・企業に特化し、誰よりもリアルで最新の情報を持つトップヘッドハンター。エージェントファインダーで紹介する各ヘッドハンターは、採用決定率を高めるためにどのような工夫を凝らしているのか。エージェントファインダー代表取締役・粕谷暢司が、特定の業界や企業への高い内定率、リピート率を誇るヘッドハンターにその秘訣を伺いました。

井伊 美代子さん
sincereed株式会社
エージェント

新卒で株式会社マイナビに入社し、求人メディア「マイナビバイト」の法人営業に従事。その後、株式会社リクルートキャリア(現・株式会社リクルート)にてリクルーティングアドバイザー(RA)として、中小企業から大手企業まで幅広い企業の採用コンサルティングを担当。約2年半前にsincereed株式会社へ参画し、両面型コンサルタントとしてIT・DX領域を中心にハイキャリア人材の転職支援を手掛ける。

企業ニーズ起点ではなく、求職者起点を貫く

粕谷:

人材紹介領域でキャリアを積まれてきたこれまでのご経歴や、sincereed株式会社にご入社された理由や思いを教えてください。

井伊さん:

新卒でマイナビに入社し、求人メディアの法人営業を経験しました。その後リクルートキャリアに転職し、求人企業側を担当するリクルーティングアドバイザー(RA)をとして大阪の中小企業から大手企業、東京の大手企業を担当しました。

sincereedに入社したのは、求職者のキャリアにも企業の採用にも、両面で向き合える環境だったからです。前職では“リクルート”という看板があるからお客様がついていると感じることが多く、自分の介在価値を見失いがちでした。ブランド力や知名度の高い企業の求人には応募が集まり、求職者一人ひとりの顔が見えないまま入社していくのを、業務の一環として見ている。そんな感覚でいることにももどかしさがありました。

「この看板を下ろしたら、自分には何が残るだろう」と考えていたときに、事業拡大フェーズにある当社に出会い、「sincere(誠実)」という社名に込められた姿勢に強く共感しました。

井伊さんが強みとしている業界や企業、領域はどこでしょうか。

IT・DX領域を一貫して担当しています。ご支援しているのは、エンジニア、ITコンサルタント、PM(プロジェクトマネージャー)、データサイエンティスト、PdM(プロダクトマネージャー)、UI/UXデザイナーなど、IT・Web領域全般の職種の方です。

事業会社のDX・IT部門にご紹介するケースが多く、ファーストリテイリング様、東京ガス様、NTTドコモ様、KDDI様、リクルート様をはじめ、当社で取引のある大手企業のほとんどでご支援実績があります。SIerやコンサルティングファームへのご紹介もしています。

求職者の年齢層は20代後半から40歳くらいまでで、30代がもっとも多いですね。年収帯は700万円から1,200万円程度のハイキャリア層が中心です。

井伊さんだから実現したマッチング事例には、どのようなものがありますか。

新卒入社から約9年間、野村総合研究所でITコンサルタント兼PMをしていた 34 歳の方は、「DX支援に留まらず、自らDXを推進する立場で働いていきたい」という思いから事業会社を希望され、 大手飲料メーカー企業のDX部門にご入社しました。年収はコンサルファームから事業会社への転職では少なからずあるように、1,300万円から1,050万円と下がるケースでしたが、ご自身のこれからのキャリアや、事業への関わり方などを一緒に見つめた結果、納得感を持って選ばれたのかなと思っています。

このように、お会いする求職者はSIerやコンサルティングファームにいらっしゃる方が多く、「最終的な意思決定はお客様である」「作ったものの行く末が見えない」といった課題感から、「自分で事業を作りたい」と転職をご検討されるケースがよくあります。

一口にDXといっても、企業によって組織課題も成し遂げたいことも全然違います。だからこそ、「この会社なら転職の目的に合うけれど、この会社だとこれまでの強みが活かしにくい可能性がある」といった、企業理解に基づいた提案が欠かせません。

意識しているのは“キャンディデート・オーナーシップ”です。企業のニーズを起点にご紹介するのではなく、求職者一人ひとりの転職の目的や軸を面談ですり合わせた上で、数多くある企業情報の中からその方に合う選択肢を提案しています。それが私の強みであり、当社としても大事にしているスタンスだと思っています。

転職の「目的」を一緒に定義する。だから、提案に納得感が生まれる

粕谷:
求職者とのコミュニケーションで大事にしていることは何ですか。
井伊さん:

面談では、転職のきっかけと目的、ご自身が認識している強みは何か、次の環境でどういうことができたら「その人にとっての良い転職」なのかを聞いていきます。目指すのは、それぞれの転職の“正解の定義”を初回面談で一緒に作ること。

初めての転職という方も多いので、こちらから「絶対ここがいいですよ」とも、最後に「行きましょうよ」とも言わなくていいようにコミュニケーションを重ねていきます。自分の意思で決められる状態にすること、最終的に「ここに行くことが正解だ」と自分で思える状態を作ることが、本質的な転職支援だと考えています。

ご支援されている方の年代によっても、転職の軸は大きく変わりますよね。

そうですね。とくに30代の方はライフイベントが重なる時期でもあります。20代後半ならライフイベントが見え始めるタイミング、40代なら最後のキャリアをどうするかという考え方になり、年代によって優先順位は違います。その方にとっての転職の意味をクリアにすることが大事なので、もし対話の中で見えてこないのでしたら、「現職にいたほうがいいのでは」と率直にアドバイスすることもあります。

無理に転職を勧めないというスタンスなんですね。

はい。本人の転職の目的と、選択肢がその現職のほうがいいよねと、私も納得できてしまったときに、無理に入社してもらうことはできません。企業側も入社して長く活躍してほしいと思って求人を出しているので、少しでも双方にずれがあるなら、絶対にいいことにはならないと思っています。

選考が進んでいった際の面接対策はどのように行っていますか。

面接対策は基本的に全員にご案内しています。ただし、想定質問集を渡すような対策ではなく、「面接の準備の仕方」や「面接で見られる観点」を伝えるようにしています。

「志望動機を考えてほしい」と言われることもあるのですが、転職活動はあくまでもご本人がやるもの。自分で考えることに意味があると思っているので、私の役割は、企業がどういう目線で中途採用の面接をしているのか、どう準備すべきかという、どの面接に行っても使える本質的なノウハウをお伝えすることです。

内定後の条件面でのフォローアップについてはいかがでしょうか。

私がご支援している事業会社の場合、年収交渉でオファー金額が変わるケースはほとんどありません。ですので、内定が出てから年収交渉に入るのではなく、最終面接の前の段階で求職者に「年収がいくら以上なら入社するか」「どの金額なら即決できるか」の意向を確認し、企業側とあらかじめ連携しておく形を取っています。条件面のギャップで最後にブレが生じないよう、事前の調整が大切です。

内定承諾に迷って時間がかかる方もいるので、知りたい情報があれば、なんとかして現場の方との面談をアレンジして、少しでもスッキリした状態で結論を出せるように…と動きます。もやもやを抱えたまま転職を決めると、入社後の定着やパフォーマンス発揮に影響します。求職者も企業もみんながハッピーになれるように、できる限りのことはしたいと考えています。

最後に、求職者の皆さんへメッセージをいただけますか。

IT・DX領域で転職を考えている方はもちろん、まだ転職するかどうか決まっていない方でも、ぜひ気軽にご相談ください。面談を通じて、現状のもやもやを言語化し、ご自身にとっての転職の意味をクリアにするお手伝いができればうれしいです。

その結果として、現職に留まるという結論になることもあるでしょう。大切なのは、ご自身の意思で納得のいく決断ができること。そのための情報提供と選択肢のご提案は、全力でさせていただきます。

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