2023.03.06

オーナー社長との信頼関係で、CFOやCMOのピンポイントマッチングを実現

業界・企業に特化し、誰よりもリアルで最新の情報を持つトップヘッドハンター。エージェントファインダーで紹介する各ヘッドハンターは、採用決定率を高めるためにどのような工夫を凝らしているのか。エージェントファインダー代表取締役・粕谷暢司が、エグゼクティブ層への高い内定率、リピート率を誇るヘッドハンターにその秘訣を伺いました。

伊藤 博紀さん
株式会社経営者JP
ディレクター

1984年広島県生まれ。大学卒業後、ITコンサルティングファームのフューチャーアーキテクトに入社。流通・小売業界を中心に、要件定義、システム設計・構築、運用保守までを一気通貫して従事。ゼロベースから課題解決策を考え抜き、導き出す力、実現策をスピーディに実行に繋げるためのシステム構築力を習得する。その後、2012年に総合系コンサルティングファームのシグマクシスに入社。投資総額数百億円を超える大型プロジェクトPMO、次世代IT化戦略構想等に従事し、2015年に年間プロジェクト表彰を受賞。これまで様々なお客様のプロジェクト実現に携わり、「ヒト」に関するお客様の多種多様な悩み・課題に直面してきた中で、「社会に変革をもたらすリーダーをプロデュースする」というミッションに共感し、2018年に株式会社経営者JPに参画。独自のイマジネーションで、お客様の採用ニーズと候補者様の想いをお引き合わせすることをモットーとし、CxO・経営幹部層の方々のキャリアをプロデュースする。

コンサルファームからベンチャーまで、思いを持った経営者とのネットワークに強い

粕谷:

これまでのご経歴から教えていただけますか。

伊藤さん:

大学卒業後は、まずは自分の強みを作ろうと、大学で学んでいたコンピューターサイエンスの道に進みました。ITコンサルティングファームで、流通や小売業界の会計システム設計などに携わり、その後、より上流工程を見ようと総合系コンサルティングファームに転職。航空業界の大型プロジェクトなどで評価いただくことができ、やりきった感がありました。

どんなプロジェクトでも、人に関する課題にぶつかることが多く、次のキャリアとして人材領域に挑戦しようと2018年1月から当社に来ました。

業界も職種も未経験からのチャレンジだったんですね。

そうです。ただ、大学時から人材業界に行くか、コンピューターサイエンスの道に行くかで悩んだ時期があったんです。コンサルファームでさまざまな業界、企業の経営課題を見る中で、やりたかった人材領域に行くなら、経営者に近いところで働きたいと思うようになりました。

現在はどんな業界、職種での紹介実績がありますか。

業界は幅広く、ITコンサルファームからシステム開発会社、ITベンチャー、専門資材の商社までさまざまです。職種はCFO(最高財務責任者)、CMO(最高マーケティング責任者)など経営幹部層が多く、年間15~20名の決定に至っています。

幅広い業界を手掛ける中で、サポートする企業に共通項はあるのでしょうか。

オーナー企業の経営者とのつながりは比較的多いですね。パッション型と言いますか、創業時から思いを持って事業拡大をしてきた経営者と直接コミュニケーションをとりながら採用支援をさせていただくことが多いです。

オーナー社長との関係構築ができている、その背景には何があるのでしょう。

祖父が創業55年以上の製造業を営んでおり、その姿を見てきたことが大きいと思います。

根っからの“泥臭い中小企業”で、実直に事業に向き合っていた。学生時代までは自分で起業したいと思っていましたが、自ら生み出すよりも、思いを持った経営者の横で、第三者視点でサポートする方が性に合っていると考えるようになりました。人材紹介を通じて経営課題に向き合ったり、事業成長をお手伝いできたら、そこから大きなイノベーションが生まれるかもしれません。それは、今の仕事のやりがいになっています。

事業、カルチャーマッチを踏まえた、CFOポジションでの入社をサポート

粕谷:

伊藤さんだからサポートできた、具体的な紹介事例があれば教えてください。
伊藤さん:

製造業のITソリューションを提供するベンチャー企業で、CFOの入社をサポートさせていただきました。

普段からつながりのあるベンチャー企業の社長が、SNSで「CFOを募集します!」と発信しているのを見て、「いい方をご紹介できるよう探してみます」と連絡を取り合ったのがきっかけでした。経験やスキルのバックグラウンド、社長との相性やカルチャーマッチなど総合的に見て「この方しかいない!」と思えた方にピンポイントでアプローチ。年収5000万円レベルのエグゼクティブ人材でしたが、社長にもご本人にも非常に喜んでいただけました。

それだけピンポイントでご紹介するには、経営者の思いや事業方針など、企業理解の深さが欠かせませんよね。企業側とはどのようにコミュニケーションをとっているのでしょう。

経営者と直接やりとりさせていただくことが多く、会社を立ち上げたときの思いや今の課題感、次に何を目指したいのかを詳しくヒアリングさせていただきます。

すると、「この経営者には、こんな人材が合うのではないか」「こんな方が入れば、もっと事業は伸びるのではないか」と潜在的なニーズが見えてくるんです。人材要件といった明確な基準がなくても、「こんな人なら化学反応が起きるのでは」と想像できるようになります。決定者のうち約15%は、「ぜひ、この経営者に会ってください」というアプローチから入社に至っています。

候補者の方とはどのように接点を持っていますか。

スカウトでこちらからオファーすることもありますし、人づての紹介、当社ホームページへの問い合わせ経由などさまざまです。以前転職サポートした方から「今、こんな会社で働いていて、ぜひ採用を手伝ってほしい」とご連絡いただくケースもあります。

経営者と同じ目線で「成し遂げたいこと」を持った方にお会いしたい

粕谷:

数多くのヘッドハンターの中で、伊藤さんならではの強みはどこにあるとお考えですか。
伊藤さん:

本人の志向や思いに寄り添った、かけがえのない出会いをご提案させていただく。その1点に尽きるかなと思っています。

初回面談から、転職理由や新天地で何を実現したいのか、入社後のイメージを詳細にお伺いします。企業選びの優先順位は一人ひとり異なりますので、それぞれの価値観を理解した上で、「この企業を推薦する理由」をお伝えし、候補者の方が納得感を持って動けるように心がけています。

選考段階では具体的なサポートを行っていますか。

面接の中で懸念点が出てくれば、企業側にも確認して、一つひとつ解消していきます。

ただ、内定率を上げるためにアドバイスする、という考え方では動いていません。応募先選択の段階でマッチしていれば、私が介入しなくても自然と進んでいくものだと思いますし、もし入社に至らなかったら、それが双方にとっての答え。状況整理をしたあとは、出会うべくして出会うものだと考えています。

今後、どんな候補者の方とお会いしたいですか。

エグゼクティブ人材なので経験や実績があることは大前提ですが、中長期的なキャリアプランをきちんと描いている方とお話したいですね。

私がお付き合いの多いパッション型の経営者は、「こんなものを作りたい」「こんな社会にしたい」という思いが強い。同じ目線で動ける方には、新しい環境で成し遂げたい何かがあることが重要です。経営幹部が持つべく“思い”を、一緒に明確にしていきながら、その人ならではの転職活動をサポートできればうれしいです。

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